ツーウェイクォートについて(わかると便利)
ツーウェイクォートは、売値と買値を同時に提示にすることであり、外国為替市場が、いかにフェアであるかを示す具体的なシステムだと言えます。
一般的に、FX(外国為替証拠金取引)では、ツーウェイクォートの左のレートを「売値」、右のレートを「買値」と呼んでいます。これは、利用される皆様にご理解しやすいように、左のレートをヒットすれば、それは、(自分が)売ったということであり、右のレートをヒットすれば、(自分が)買ったという意味で、そのように名づけられています。
しかし、インターバンクでは、これが逆で、左が「買い」、右が「売り」です。これは、なぜかと言いますと、基本的に、インターバンクは、お互いに、レートを、相手に提示し合うため、レートを提示した側から見た言い方をします。
つまり、例えば、154.75-80とレートを、私が相手に提示したとすると、それは、154.75なら、私は買うし、154.80なら、私は売るよという意味になり、提示された相手が、そのレートに満足すれば、154.75で売るとか、154.80で買うということになります。
たとえば、海外旅行に出かける時に、銀行で、ドルに両替する場合、よく両替レートを見てみると、自分はドルを買ったはずなのに、「ドル売りレート」が適用されているのは、銀行がお客様にドルを売るレートという意味で表示されており、身近な例だと思います。
また、インターバンクでは、「売値」「買値」とは、呼びません。
左のレートをBID(ビッド)、右のレートをOFFER(オファー)、あるいは、ASK(アスク、米国の言い方)と、呼びます。ですから、インターバンクディーラーの間では、こんなふうに話されています。
たとえば、レートが154.75-80として、「75でBIDしていたら、Given(ギブン、売られたの意)された。」(154.75の買いの指値をしていたら、売ってきて注文が成立したの意)とか、「80のOFFERを、Take(テイク、買うの意。)した。」(154.80の相手の売りの指値を買ったの意)という具合で、最初、聞くとチンプンカンプンです。
因みに、Take、Giveですが、Takeは、自分が買う、Takenは、相手に買われる。Giveは、自分が売る。
Givenは、相手に売られるの意味です。
以前は、と言っても、かなり前ですが、東京外国為替市場では、日本語で、「買った。」、「売った。」で、取引が行われていましたが、相場が熱くなると、ディーラーの声も、ブローカー(仲介業者)には、「ったー!」としか聞こえなくなり混乱が生じたため、Take、Giveを使ったり、前例の154.75-80で言いますと、「75で何本。(売りの意)」とか、「80で何本。(買いの意)」と、プライスで言うようになりました。
そして、電子取引が盛んになり、さらに、クリアになりましたが、あのマーケットの臨場感を、スピーカーボックスを通して伝えるブローカーの緊迫したレートクォートがすたれたのは、少々寂しいものがあります。