人々の息づかい(市場心理を読む)
私は、もともとテクニカル派でしたので、相場展開はチャートに示され、だからチャートだけ見ていれば良いと思っていた時期は、結構長かった思います。
しかし、大相場を何度も経験してみて、決してチャートだけで相場のすべてが説明がつくわけではないことを、実感として思うようになりました。
相場を形成しているのは、マーケット参加者と呼ばれる人々であり、そうした人々の息づかい、言い換えれば市場心理(マーケットセンチメント)を感じなければ、相場の本当は見えないのではないかと考えるようになりました。
人々の息づかいとは、願望であったり、欲望であったり、恐怖であったり、執着であったりといった、実に人間臭いものだと思っています。
そうした多くの人々の息づかいの集合によって相場は形成され変動しているのではないかと個人的には考えています。
逆説的には、チャートは、このような人々の息づかいが集約されたものだとも言えます。
確かに、通常の相場ではチャートは大体においてワーク(機能)しますが、大相場ともなると、恐怖という心理が大きく働き、人々の息づかいは連鎖的なパニックとなり、通常のチャートの見方では、読みきれない暴走を引き起こします。
したがい、チャートを無機質なものとして見るのではなく、チャートを形成する市場心理(マーケットセンチメント)を読んだ上でチャートを見ることが、大変重要だと思います。
そのためには、今マーケットは何に注目しているのか、どうなることを望み、またどうなったら恐怖となるのかを、日頃から推理するクセをつけることが大切です。