ブル転、ベア転(ポジションの偏りが重要)
ブル転とはマーケットのセンチメントがベア(弱気)からブル(強気)に転ずること、そしてベア転とはブルからベアに転ずることです。
たとえば、マーケットがベアになっていたのが、ブルに転換するためには、説得力のある理由が必要ですし、ブル転で良いと信じこむようになるにはさらに時間が掛かります。
言い方を変えれば、マーケットのポジションがショートからロングに変わるには、余程マーケットの大方の参加者が、方向転換することに納得するような理由なりきっかけなりがない限り、そう簡単には、考え方は変わりません。
しかし、考え方が変わらないでいると、たとえば、ショートのポジションがいつまで経っても減らず、下がるものも下がらなくなり、そのために、結局は大きめのショートカバー(買い戻し)につながっていきます。
大体において、この大きめのショートカバーを経て、マーケットセンチメントの心変わりが起きます。
ブル転したことが、良い結果につながるか、あるいは往復ビンタとなるかは、あくまでもその時の相場の方向性によります。
相場が、依然下落トレンドにあるかレンジ相場であれば、ブル転は、単に高いところで買ってできたロングポジションの積み上がりとなり、次の下落に向けた下げのエネルギーの蓄積になります。
一方、相場自体が本格的に反転する場合は、なかなかマーケットがブル転しない時に起きることが多く、つまりマーケットにショートポジションが残っていることから、さらなる上げのエネルギーとなります。
結局のところ、その時点でのポジションの偏りが、思惑とは逆方向に行くエネルギーとなりますので、マーケットのポジションがどちらに傾いているかは、値動きやシカゴIMMポジションなどを通じて、丹念にチェックすることが大事になるわけです。