確信犯(柔軟性を持つことが必要)
確信犯とは、一般的に「道徳的、宗教的または政治的信念に基づき、本人が悪いことでないと確信してなされる犯罪」のことを言います。
相場の世界での確信犯とは、「自らの相場観という信念に基いて、持っているポジションは間違っていないと確信する(人)」ことを言います。
特に、大相場になればなるほど、確信犯は増えます。
1985年のプラザ合意による円高誘導により、ドル/円は、2年余りの間に240円から120円まで急落しました。
この急落により、ドル/円は下落するもの、ドル/円は売らなければならないものという確信を多くのディーラーが抱きました。
「上がれば絶好の売り場」、「下がれば売れるチャンスは今しかない」と、思考は売ることしか考えられなくなっていました。
しかし、そうした確信犯的ショートが増えれば、当然ショートがパンパンになりがちで、しかも下げに確信しているため、反発しても買戻しが遅れることになりました。
そのため、その後の2年間で160円あたりまでの反騰により、多くの確信犯がマーケットから退場を余儀なくされました。
相場観に確信を持つことは、決して悪いことではないと思います。
ただし、相場は変化するものである以上、柔軟性を持つこともまた必要で、状況に応じて自らを躊躇なく変貌させられるようにすることが大切です。