達成感(思い出のトレード)
トレンド相場が加速し、達成感を感じる時があります。
私が今でもはっきりと覚えているのは、ドル/円で、1989年の5月の132.54近辺から翌月6月には150.33近辺までの約18円80銭の急騰相場です。
この年の頃は、日本の機関投資家、生保がかなりアクティブに動いており、大量の外債購入に走り、それに伴って、大量のドル買い円売りが起こりました。
彼らは、午後3時ごろに出てくることが多く、その買いによる上昇が海外市場にも引き継がれました。
そして、翌朝になると、前日より高くなって戻ってくる相場を見て、香港・シンガポール勢がコレクション(crrection、調整)を狙って、売り込んできましたが、東京勢は、機関投資家がまだ買いたいのがわかっていましたので、香港・シンガポール勢の好きなように売らせていました。
そして、午後3時になると、再び機関投資家がマーケットに表れ、大量にドルを買っていきましたので、香港・シンガポール勢は、たまらず損切り的に買い戻していました。
そうした繰り返しが続く中、相場がさらに上昇していくと、上がるという買い方の確信は強まり、だんだんと加熱感を帯びていきました。
最終局面ともなると、1日で10円の上昇を見るに至りました。
この時、ずっとドル/円ロングで来た私も、さすがに過熱感とともに達成感を感じ、もっていたロングをすべて売り払い、さらに相場がピークアウトしてきたところを売ってショートポジションにしました。
このショートポジションは、ほんとに1円も抜ければいいなといった気楽なポジションでした。
そして、実際、1円下がったところで利食いましたが、そこからの急落にはびっくり出した。
150.33近辺の高値をつけた後、大手の証券会社が大きく売ったこともあり、マーケットはオーバーボート(買い過ぎ)となり、なんと136円台まで急落し、多くの犠牲者が出ました。
つまり、相場に未来永劫上がることもなければ、下がることもありません。
ある程度、儲かれば、着実に利食うことを忘れてはなりません。
トレーダーは、相場に生かされているのだと思います。