なにかがおかしい(自分の五感を信じる)
新聞やネットの記事で、「うん?」と思ったら、無視しないことが大事です。
それまでに頭に入っているいろいろな情報のどれかにひっかかり、無意識にそれに気づいている可能性があるからです。
たとえて言えば、車を運転していて、目の片隅でチラッと動くものを感じてよく見たら、死角から追い越しを掛ける車が現るようなものです。
厳に慎まなければいけないことは、事も無げに無視することです。
相場でも、リスクへの対応は、数値や経済指標の発表、要人発言などに気をつけるだけでなく、自分の五感を信じることが大事です。
なにかがおかしいと感じたら、なにをもって自分がおかしいと感じているかを追求する労を惜しまないことです。
昔、ある中東の銀行が、珍しく繰り返しケーブル(GBP/USD)のプライスを午前中求めてきては、"Nothing."(ナッシング、取引不成立)と言って、帰って行きました。
しかし、何かがおかしいと思いました。
そうしましたら、案の定、午後一番で、またやってきて、20本(2千万ポンド)のケーブルプライスを求め、こちらがプライス出すと買ってきました。
そして、それで終わるのかと思ったら、またプライスを求められて、またダン(Done、取引成立)となりました。
約定した取引を相手と確認すると、その銀行がまたプライスを求めてくるということが延々と繰り返され、結局合計で360本(3億6千万ポンド)買っていったことがありました。
午前中の段階でなにかがおかしいと思い、心の準備ができていたことが幸いしました。
こんな具合に自分の五感を信じることが、自分の身を守るためには大切です。