流動性(クロス円の現実)
流動性とは、交換のたやすさを言います。
流動性が高いとは、交換がたやすく、流動性が低いとは、交換が容易ではないということです。
為替の世界で言えば、EUR/USDやドル/円のようなメジャーカレンシー(主要通貨)は流動性が高く、AUD/USD、NZD/USDなどのようなマイナーカレンシー(非主要通貨)は流動性が低いのが一般的です。
また、クロス円の中でも、EUR/JPYは流動性が高いほうですが、それでも、2008年のリーマンショックに端を発した金融危機の際は大急落を演じました。
そして、EUR/JPYですら、当時そんな調子でしたので、GBP/JPY、AUD/JPY、NZD/JPYなどは輪を掛けて前代未聞の急落となりました。
クロス円は、クロス円自体のマーケットがあるのは、EUR/JPYぐらいなもので、他のクロス円はあくまでも、理論値でしかなくマーケットが存在していないためです。
たとえば、AUD/JPYで申し上げれば、ドル/円とAUD/USDの合成によってできています。
そのため、市場でのカバー(手当て)は、直接AUD/JPYでは出来ず、ドル/円とAUD/USDに分解して別々にカバーします。
リーマンショックの折は、AUD/JPYの投げがすさまじく、ドル/円、AUD/USDともに大急落するという事態に陥りました。
このように、流動性の低さは、突発的な事態が発生すると、それまでは一見安定しているかのように見えたマーケットが、突然に豹変しますので、極めて危険です。
出来れば、メジャーカレンシーでの取引に重点を置くことが、賢明かと思います。