実需為替(膨大な貿易黒字だった頃の逸話)
日本が膨大な貿易黒字だった1990年前後、日本の実需筋、つまり輸出企業と輸入企業のマーケットに与える影響力については、米系ファンドも、一目置いていました。
こんなエピソードがありました。
ニューヨークにいた頃、結構有名な米系ファンドのトップと食事をする機会がありました。
食事中の話題は、もちろんディーリング一色で、洋の東西を問わず、ディーラー仲間の間の話は、自分の儲けた自慢話よりも、失敗談を話すのが恒例のようで、彼もそれに近い話を披露してくれました。
彼は、ドル/円は上がると確信し、作ろうとするドル買いポジションが大きいので、ドル/円のマーケットの厚い東京市場で、ポジションを作ろうとしたそうです。
その額、なんと10億ドル(当時の円換算で約1千4百億円)、マーケットの言い方をすれば、1000本です。
彼も、事前に日本の輸出企業のオファー(offer、売りオーダー)が相当あると聞いていたそうですが、買っても買っても、オファーはビクともせず、結局、1000本買い終わっても、1銭たりとも上がらなかったそうです。
百戦錬磨の彼も、さすがにこれにはたまげたと懐かしそうに話していました。
その後、日本の輸出企業も、製品を輸出するばかりではなく、部品を海外で生産して日本に輸入し、輸出と輸入を相殺するネッティングをするようになり、輸出額は以前に比べて減ったと言われますが、それでも、やはり大した影響力があります。
一方、買い方の実需、輸入企業も、影響力があります。輸入企業の最大手は、石油会社です。
また、石油企業に限らず日米金利差を利用したオプション絡みの長期の輸入為替の買いも、いろいろな輸入企業から出てきますので、これからのビット(Bid、買いオーダー)も、下値を支えています。
このように、ドル/円は、実需為替から大きな影響を受けていますので、この存在を無視してはドル/円は語れないというわけです。






![FXをもっとシンプルに! | エフプロ FXをもっとシンプルに! [エフプロ Top Page]](http://www.banya-mktforecast.jp/photos/uncategorized/fpro_190x55_202412.png)








