問題の本質から目を背けない
4時46分現在 ドル/円 160.29レベル
今年の1月初めからのドル/円の日足チャートを見ますと、1月23日に米国主導の2回のレートチェックで7円の急落、4月30日と5月6日の2回で合計11兆7千憶円に上る政府・日銀のドル売り円買い介入で5円の急落をしました。
しかし、1月のレートチェックによる下げはほぼ1カ月半で埋め、そして連休中の大量介入による下げはほぼ1カ月余りで埋めようとしています。
この間の日足チャートを見ますと、米国の助けを借りたレートチェックによっても、大量介入によっても、一時的に上昇を強引に押し戻そうとしても、円安という滔々と流れる大河を止めることができないことが、むしろ明らかになっています。
財務省は、「円安は投機」と仰いますが、今の実際のマーケットを日々つぶさに見ている者から申し上げますと、デイトレの海外投機筋はドル売り先行しかやりませんし、本邦個人投資家層は介入期待から盲目的なドルの戻り売りを繰り返すばかりです。
確かに、米系の長期プレーヤーであるCTAは、シカゴIMMの円のネットポジションを見ても、確かに円ショートを増やしていますが、円売りしている投機筋はそこぐらいなものです。
しかも、私が知る限り、CTAは非常に相場観に長けていて、その上介入の可能性は重々承知をしまた覚悟の上、彼ら自身の相場観に正直なのだと思います。
一方、特に5月の連休明けから7月初めに掛けて、例年ドルの需給はタイトになり、具体的には連日輸入の買いが、9時54分の仲値決めに向けて出ていることは、ドル/円の1分足チャートで見れば、どなたにでも観察することができるほどです。
その輸入の買いは、日本のドル不足のドル買いという構造問題の中の一部であり、その大きなドル買い円売りの流れを止めない限り、今の円安は止まりません。
カンフル注射としてのレートチェックや大量介入は、むしろ上記でも申し上げましたように、一部の投機筋を除き内外の投機筋にドルを買わせなくしてしまったために、急落するために必要なドルロングの投機ポジションを作らせなくさせてしまった一方で、ドル不足のドル買いという構造問題には手を付けていない以上、円安は止まりません。
その事実から目を背けている間は、問題はなんら解決の道を見出さないものと見ています。
もちろん、簡単にどうこうできるような問題ではないですが、避けては通れない問題であることは確かです。
【ご参考】
日本のドル不足のドル買い
以下のような事情から恒常的に日本ではドル買い圧力が発生しています。
1.実需のドル不足のドル買い 日本は大きく輸入に依存しており、ドル買いが恒常的に発生しています。
さらに、ここにきて、イラン戦争により原油価格が高騰し、原油輸入代金のドル払いは大幅に増えています。
2.個人の外貨運用のドルを中心とした外貨買い 新NISAやオルカンが代表的なものです。
3.デジタル赤字 ネットフリックスのようなサブスクやグーグルなどのサーバーレンタルはドルで米国本社に支払われています。その額は、イラン戦争前の日本の原油輸入総額と並ぶほどになっています。
4.米国への追加の関税支払いなど
その他にも要因があるという非常に深刻な問題です。
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