老兵の危機感
今のところの戻り高値が162.42で、1時間足で7月2日14時の寄付き162.43を起点とする大陰線の窓を埋める、いわゆるリターンエース達成まであと1銭という寸止め状態です。
リターンエース:大陽線、大陰線、連続陽線、連続陰線の窓が出現すると、この窓を埋めようとする習性が相場にはあり、これをリターンエースと呼んでいます。
先週2日木曜からのドル/円相場は、7月介入説でマーケットが大盛り上がりとなり、そして底値圏で売り過ぎ、そして反発過程でさらに売り上がったため、相場が上がりながらショートが増え、そして下がらないため、渋々買い戻すと、それで上げたところでは新たな戻り売りが出るといういつになってもショートが切れない、値動き分析で言うところのジリ高という悪循環をくり返した挙句の反発でした。
値動き分析「投機の力学」
https://www.youtube.com/watch?v=7krEuMWVwVc&list=PLxcWX03reuKqev3Ny2LT6tVJ4j829vOBG&index=138
それ以前に、今のマーケットのポジション状況は、2022年以来の大量介入の繰り返しによって、一部CTAを除き買う者がいなくなり、むしろ内外の投機筋も売り先行、さらに英系大手ヘッジファンドのブルーベイは既に売って巨額のショートポジションを抱えるという状況を、6月も繰り返し広くお伝えしてきました。
しかし、私一人が言ったところで犬の遠吠えに過ぎず、むしろおまえ何様だよと言われることすらありました。
たたし、極めて残念ながら、それでも言わせて頂くなら、今のマーケットは「素人演芸会」となり、正直に申し上げて、マーケットのレベルが極めて低下しています。
もちろんそうなるには歴史がありました。
1995年前後のバブルの崩壊によって、銀行、事業法人、機関投資家が多大な損失を被ることとなり、特に銀行は、1行では立ち行かなくなり、統合を繰り返した一方、外資系銀行はアジアのインターバンク拠点であったシンガポール、香港、東京を、ほとんどシンガポールに集約させたため、東京市場にインターバンクを置く外銀はなくなり、実質的に東京のインターバンクは、メガバンク4行のみとなり、東京のインターバンク市場は極端に縮小しました。
しかも、2008年のリーマンショックによって、欧米では銀行批判が強まり、実際に為替ディーラーから逮捕者は出る、出した銀行は何百億円という罰金を当局から課せられることとなり、コンプライアンスが極めて厳しくなったために、他行のディーラーとの情報交換など不可能となりました。
一方、1998年に外国為替管理法が緩和され、個人に為替市場が解禁され、以来個人FXは爆発的な拡大を見せました。
現在、個人FXの年間取扱高は、1京2千兆円を超え、日本の個人FXのマーケットは、世界全体の個人FXの半分以上を占めるほど巨大化しました。
そして、こうした背景が、大きな問題を引き起こしました。
つまり、為替相場の知識・経験のほとんどない方々が大量増加する一方、本当を教える人間がほとんどいないというアンバランスな状況となりました。
そのため、今回のような7月介入説が持ち上がると付和雷同的にショートを振る人間が、先にも申し上げましたように、2022年以来大量介入が繰り返されたことで、ほとんど誰もドルを買わなくなってしまっているマーケットの中で急速に増えれば、それは極短期間に相場が売り過ぎとなることは自明の理でした。
しかし、もうそうした相場のイロハも知らない人ばかりの中で、噂に迎合した挙句の大買い戻し大会に、正直無力感を禁じ得ません。
私が、マジで心配しているのは、こうした買戻しによって発生する損失によって、資金が国外に流出することで、引いては海外から垂涎の的となっている日本の個人の金融資産2200兆円が、知らず知らずに目減りしていくのではないかということです。
これは、国益には全くなりません。
そのためにも、投資教育をしっかりしていく必要性を、今回改めて、ひしひしと感じています。






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